『懐箸』 開発ストーリー

この携帯できるMY箸は最初にものづくりをした第一号なので、とても思い入れがあります。思い入れだけでなく「日本製」を実現させる事がこんなに大変なのか…と、一度はさじを投げそうになった製品です。そもそもはアウトドアドアメーカーのものを使っていたのですが、それがネジ式で使いにくかった事から、「じゃあ、売っていないなら作っちゃおう」というノリで始めてしまったのがきっかけです。

当初は黒檀・紫檀などの高級で稀少な木材に憧れて?!上海郊外で作っていました。それらの木材は中国では家具に多く使われている木材です。 ですが発売当時の2008年、まさにマイ箸ブームがやってくる少し手前の事でした。どうしても中国製では自分が求める品質が実現できないことが判り日本製にすることを決意。 “エコロジーを考えてやってるのにコクタンはマダガスカルだし、日本への輸送マイレージもかかってるなぁ”。 “リユースを考えて長く気持ちよく使って欲しいのにこの品質でいいのかなぁ”。 “小売り店で売ってる携帯箸は最後加工だけ日本で、ほとんどが中国製だなぁ、やっぱり日本製で高いのは売れないのかなぁ” 。 と色々考えての決断でした。

帰国後当初はコクタンにこだわり、アジアで仏壇を作ったあとの端材を輸入している材木やさんなどを当たってみましたが、お箸にできる良品質のコクタンは数も少なく供給も不安定であることがわかりました。 また木材を輸入する、ということ自体が日本国内で荒れてしまっている森林を保護することにもならず、結論として「輸入は止めてすべて国産で作ろう」という考えに至りました。

そこから1~2ヶ月かけて国内での生産を請けて下さる協力会社捜しが始まりました。詳しくは割愛しますが途中何度も諦めかけました。それほどに国内にこの懐箸を作れる会社がなかったのです。それは逆に”中国で作れるのに日本で作れないはずは絶対にない!”と奮い立たせる要因にもなりました。執念が勝ち”それじゃ挑戦して見ましょうか!”と言って下さった、新潟県・燕三条のステンレススチール加工の会社社長と、福井県・鯖江市の木材加工専門の会社社長が最期の最期に私達の目の前に現れてくれました。

このお二人は過去お箸なんて作ったこともないのに、本業以外の新しい分野にチャレンジをして頂き、また私達のこだわりや要求を満たす試作品を完成させて商品化まで持ってきていただいた恩人です。スチール部分のアドバイス、木材は桜や樫がいいんじゃない?など多くのアドバイスを頂き、すばらしい「懐箸」が出来ました。

手に取って頂ければかならず私たちのこだわり、商品の質の高さを解っていただける商品だと思います。