有限会社パンズ

黒ヒョウ社長のブログ

スピードコーチング

2002-10-10 14:41

“コラム何書こう”と9月に考えていたのだが、あっという間にカレンダーは10月になっていた。東京でも朝・夕は秋っぽく気温が低くなってきているので秋服を着る理由ができて、10月に入って久しぶりに服もパンツも靴もみんな新調してしまいました。


僕は買う時にはたくさん、一気に買うタイプで、その衝動と欲求が収まるとしばらくは全く衣類などは買わなくなります。そういえば9月末にデジタルビデオカメラ:Panasonic 3CCD MX-5000も買っていました・・・
さて、一時期コーチングの本が流行った時期があったが、今では「スピードコーチング」が大切らしい。コーチと インストラクターの違いはわかるでしょうか? 型のない初心者を教えるのがインストラクター、型のあるベテランやプロを教えるのがコーチ、というのが合っているんではないかと思います。企業のマニュアル教育はすべてインストラクターの仕事です。しかし本来企業はプロ集団の集まりであるべきで、今の時代はそうでないと負け組に入ってしまいます。そこで社内にいるプロ達を教育する&部下の潜在能力を引っ張り出すスキルを持つコーチ、 という存在がとても重要になってきます。特に「部下は上司を選べない」わけなので、上司のコーチングスキルが部下を、社員を生かしもし、殺しもするというのが私の持論です。ラテン語の「educatio」=英語でeducation、は「引っ張り出す」という意味を持っていることからコーチングの代わりに、エデュケーターという言葉を使っている方もいるみたいです。恐らく本来のコーチングというのは、(いきなり結論ですが)「正解を教えないこと」ではないかなぁ、と思います。たまに、1?10まで懇切丁寧に手取り足取り教える上司がいますが、それは「指示待ち社員」「考える習慣がない社員」を量産するだけです。このタイプの社員を抱えた場合、企業にとってはかなり致命的損傷を被る事になります。またその社員にとって、手取り足取り上司を持つことは不幸の始まりです。最近は「他人をどう叱ったらいいかわからない」という“引きこもり上司”も存在するそうです。小さい頃から叱ったり、叱られたりという経験が少ないまま企業内年功序列などで上司になった人、特にインテリ上司に多いそうです。
部下に価値観を教えること、は上司の一番大切な仕事なのだと思いますが、ある本にはとてもいいことが書いてあって、同じところを何度も読み返しました。それは「仕事の技術を教えること」よりも「仕事に対する考え方を教えること」がとても大切だ、とあったわけです。言い換えると「目に見える価値観と目に見えない価値観」ということです。前者は損か得か、スキル、売上げ、利益、などをさします。後者は損得勘定の話ではなく、創業精神とか顧客への奉仕の心とか、労働哲学といった非常にアナログでとらえどころがない、目に見えない価値に 真の価値を見出すこと、です。とかく不景気な時代、中小企業は特に目先の利益、売上げをあげることに必死で損得勘定が先走りする感がぬぐえません。しかし考えてみました。松下幸之助、井深大、盛田昭夫、本田宗一郎。これら偉人はそういえばすべて“目に見えない価値観への追求”があった為に、社員はついてゆき、会社も大きくなっていったのだなぁ、と。もし儲けだけ考えて「儲からんことはやらん」ということだったら今のそれぞれの国際企業はなかったのでしょう。そのくらい上司の使命は重く、また上司の仕事は深いのです。上司の皆さん、お互いにがんばりましょう。
「感動した1人のお客様は、25人のお客様を連れてくる。不満を持った1人のお客様は、やはり25人の お客様を減らす」  by 神林照雄(故人)